2012年8月5日日曜日

第13回世界バレエフェスティバル、観てきました!!

8月3日金曜日、3年に一度世界のトップダンサーが集う、世界バレエフェスティバルのAプロを観てきました!

プログラムは日本舞台振興会さんより拝借しました。

■第1部■ 

「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
上野水香 マシュー・ゴールディング


■第2部■ 

「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキ

「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ



■第3部■ 

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルド
タマラ・ロホ スティーヴン・マックレー



■第4部■ 

「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セパスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

***************************************

今春、オペラ座でバレエを鑑賞して以来のにわかバレエファンですが、偶然バレエフェスが今年開催されると聞き、早速チケット争奪戦に参加(笑)
無事、2階正面のS席をゲットしました。
東京文化会館、小学生以来かも・・・こじんまりとしているし、座席も見やすい配置で安心です。

さて、早速感想ですが、あくまで初心者の感想なので、変なこと書いていても大目に見てくださいね~!
ちなみに、ちょこっと感想を検索してみたら、みなさん意外と辛口で。
「やっぱりバレエはクラシック!!」という方は、18作品中7作品コンテンポラリーというのがご不満のようですね。
私は今春、久しぶりにバレエを観て、度胆を抜かれたのがMatsEKの「アパルトマン」だったこともあって、自分でも意外なんですが、コンテンポラリーバレエが好きみたいなんです。
コレ本当にびっくりで、基本なんでも古典作品が好きなのに、バレエはコンテンポラリーのびっくり箱的なドキドキ感がたまらないんです(笑)

なので、感想がコンテンポラリーに偏っていますがお許しを!

*****************************************

「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

事前予習で気になっていたシムキン君。
男の方に失礼ですが、永遠の少年といった風情に超絶技法のジャンプってどうなの??と興味津々でしたが、カワイイ&面白かった!
アメリカ国旗を思わせる赤と青に、目も覚めるようなくっきりとした黄色の衣装に、スーザの行進曲がとってもアメリカ的。
バランシンの振り付けも茶目っ気たっぷり!
シムキン君がかわいすぎるので、なんだかおもちゃの兵隊さん!のようですが、お祭り的な陽気さがフェスのオープニングにぴったりでした!


「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

私、この作品好きです!
先ほどの色彩の洪水から一転して、モノトーンの殺伐とした世界に、バッハの神々しい音楽が鳴り響きます。
それ自体はとっても光に満ちあふれていて、幸福感に包まれているのに、それとは反対の白と黒の世界が踊りで表現されていきます。
上階から見たので、ライトの加減で特にそう感じたのかもしれませんが、無駄なものをすべて削ぎ落とされたかのようなシャープな男性の動きが、人生の喜び、悲しみを綴っていくようで、音楽の幸福感に哀切のエッセンスを加えて、より世界の多様性、重厚さを表しているようでとても感動しました。

バランシンは音楽を視覚化したような感じでしたが、この作品は音楽に新たな意味づけを加わえているようで、ライトを吹き消すエンディングまで息をのんで見入ってしまいました。


「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

オレリー・デュポンは、春「ダンシズ・アト・ア・ギャザリング」のピンクの役を拝見して以来のファン。
なんというか、ピンクのバラのような可憐さと愛らしさを持ったダンサーさんだと思うのですが、コンテンポラリーも素敵です。

フラゴナールの「閂」は、ルーブルで見てきたばかりなんですが(笑)この作品って不思議ですよね。
情事が始まるのか終わるのか、拒絶なのか誘惑なのか・・・

扉は必ず・・・の後にくるセリフはなんなのでしょうね。

暗い舞台に視線をずらして座る男女が「閂」の有名なポーズをとる一瞬は、まるで時間が止まったような、夢を見ているような、不思議な幻覚に襲われました。

そのあとは、この二人でないと難しいのかと思う、ゆったりとした不可解なムーブメントが続きます。

これは、あの絵の過去を表現しているのでしょうか?未来を表現しているのでしょうか??

途中、鍵のきしむ音や女性の声が挿入されます。うーん、バレエって人間の根源を表現するものだからでしょうか、赤裸々なものが多いのにびっくりしました。
まぁ鍵と閂とか、扉の存在自体も、男女を表しているといっても過言ではないと思うので、音くらいなんてことないんですが(笑)

このバレエ、初見の驚きがあるので面白かったのですが、やっぱりオレリーとルグリ様だったら、もう少し全体的に動きのあるものが観たかったかな。
でも、この二人のペアの人気は凄くって、ファイナルでも特別大きな歓声が飛んでいましたよ。

「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

これもTHEコンテンポラリー!で面白かった!

南イタリアの伝統音楽の哀切な響きに乗って(てっきりスペインだと思って観ていた私)男女が生々しく絡み合います。

オシポワのびくびくと波立つ脚の動きとか、人間の生きている姿そのまま、裸の感情がむき出しでぶつかり合うというバレエに圧倒されました。


「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ

そして、次の白鳥!!
このプログラム考えた人、うまいなぁ~と思ったんですが、赤と黒の人間臭い情念の世界から一転、ただただ静謐な白鳥の世界へ。

空気が変わります。

もぉ、同じ人間とは思えないんですよ。完全な白鳥。

「瀕死の白鳥」は、私の思い出の作品で、小学生の時にプリセツカヤの踊りを観て「私のNo.1バレエはこれ!」と思って以来、バレエを観なくなってしまったんですね。

なので、あまり今回も期待していなかったんですが、間違いでした。

ロバートキナの白鳥は、プリセツカヤのものとは違っていましたが、文句なしに素晴らしかった!です。
何度でも観たいと思わせる、ある一線を越えてしまった凄さがありました。


「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

ザハロワは、今春数日違いで「ラ・バヤデール」のニキヤを見逃して、Youtubeでその時の映像を見て涙をのんだんですよね。

今回もすごく期待していて・・・コンテンポラリー?と思っていたら、思った以上に良かった!

最初、暗い舞台に一筋のスポット。その中で無音のままザハロワが踊るんですが、その時の観客の息を詰めて見守る緊迫感が何とも言えず良かった!

ザハロワさんって、腕と脚がすごく細くって、肘が浮き出ているように見えるんですが、その細さが何ともいえず優雅で。

身体の佇まいだけで、物語を語れるようなダンサーなんだな、と思いました。

コンテンポラリーはダンサーさん自身からにじみ出るような魅力がないとつまらないと思んですよね。
ザハロワさんは白鳥などの古典の評価も高いのに、コンテもここまで踊るなんて凄いです。


「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

バレエで大爆笑!って!

一瞬にして劇場がホッと暖かいものに包まれたようです。

舞台のヴァイオリン奏者との掛け合い漫才(失礼!)のようなバレエで、ダンサーとヴァイオリンが丁々発止のやり取りをしつつ、だんだんと音楽も踊りも激しくなっていきます。

マルセロ・ゴメス自身の振り付け作品ですが、ゴメスはきっと陽性の人なんでしょうね。

身体が持つ物語も、若々しさ、豊かさ、陽気さを感じさせ、それを周囲にも反射させているようです。
暗めのコンテンポラリーの中で、一服の清涼剤のようでした。


「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セパスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

伝説のダンサー、マラーホフの世界初演ということで、期待が高まります。

黒いレオタードの男が、女の手を引き舞台に登場します。

最後、女は男の手を離して、先に進み、男は舞台に残される・・・というもので、これは震災の追悼、レクイエムなのでしょうか?

「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

クランコの「オネーギン」は、今後観てみたい舞台の一つだったので、パ・ド・ドゥだけでも観られて幸せ。

初々しいタチアヤーナの夢の場面ですが、うーんとっても演劇的。

クラシックの古典ってマイムで物語が進んでいきますが、オネーギンや椿姫はとっても自然にバレエでストーリーが語られていて新鮮です。

音楽はチャイコフスキーで、とっても古典なんですが、振り付けが現代人の感性に通じるというか、とにかく登場人物の感情がより身近に感じられるのが良いですね。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

実は恥ずかしながら、ドンキは初見なんです。

フェスやコンテストで絶対に踊られる演目とは知っていたですが、これほどまでとは(笑)

まわるまわる、飛ぶ飛ぶ!!

フェスの最後にふさわしい、華やかな演目で大満足でした。

ふぅっ4時間の公演だったので、途中疲れちゃうかなと心配していたんですが、全然平気でした!多少おしりが痛くなっちゃいましたが(笑)

次回は最終日にBプログラムです♪愉しみ~~!

0 件のコメント:

コメントを投稿